2011年03月07日

85.日本の昔話

柳田国男(1875〜1962)・著

『日本の昔話』…「はなたれ小僧様」「わらしべ長者」などが有名。私が特に注目したのは「海の水はなぜ鹹い」

要約すると以下のように。

貧乏なある男が不思議な爺様からもらった麦まんじゅうを、言われた通りに森の神様のお堂にいる小人と、石の挽き臼を取り換えた。

その臼は、右に回すと欲しいものがなんでも出てきて、左に回すと止まるという代物。米や魚、果ては立派な家を出し、たちまちにわか長者となった。

この臼の秘密を知った意地悪な兄は、その石の挽き臼を盗み出し、どこかの島に行って一人で長者になろうとして小舟で海に出た。

船の中には、臼を盗んだついでの餅だの菓子の甘い物だけがあり、塩っけのものが何もなかったので、とりあえず塩を出そうとして臼を右に回すと、出るは出るは、小舟一杯に。そして、その重みで船も沈んでしまった。

兄は、止める方法を知らなかった。

海の底では、その臼が塩ばかり出して回っており、それであの通り海の水は、塩辛いということになっている。


これと同じような伝説が、遠くアイスランドにある。それは次の通り。(神々の指紋/グラハム・ハンコック著/翔泳社/上巻p328より)

…臼はミシンガーという名の海王に盗まれ、巨大な娘と一緒に船に乗せられた。ミシンガーは二人に再び臼を挽くように命じたが、今度は挽くものは塩だった。真夜中に二人はミシンガーに、塩に飽きていないかと尋ねたが、ミシンガーはもっと臼を挽くように命じた。二人はまた臼を挽き始めたが、すぐに船は沈んでしまった。…

話の内容がよく似ているのが興味深い。


柳田国男…民族学者。八人兄弟の六番目、清貧なる家庭に育ち、母たけは教育ママ。柳田は一見おとなしそうな人に見えるが「どこか猛烈な獰猛なところのある人」と中野重治は言う。なにしろ参集した門人のほとんどの者は破門されているほどであるから。

国男は『明治大正史 世相編(昭和六年刊)』にこう書いている。

「明治以降の日本の食物は、ほぼ三つの著しい傾向を示していることは争えない。その一つは温かいものが多くなったこと、二つには柔かいものの好まるるようになったこと、その三にはすなわち何人も心付くように、概して、食うものの甘くなって来たことである。これに種目の増加を添えて、四つと言ってもよいかのか知らぬが、こちらはむしろ結果であった。人の好みがまず在来のものの外へ走って、それが新たなるいろいろの方法を喚び込んだ」

明治に入ってから、日本人の食生活が大きく変化してきているのがうかがい知れる。

日本の昔話 (新潮文庫) [文庫]/ 柳田 国男 (著)
日本の昔話 (新潮文庫) [文庫] / 柳田 国男 (著); 新潮社 (刊)

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神々の指紋/ グラハム・ハンコック (著)
神々の指紋〈上〉 [単行本] / グラハム ハンコック (著); Graham Hancock (原著); 大地 舜 (翻訳); 翔泳社 (刊)
posted by 岡山太郎 at 18:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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